↑この記事の続きです。
何時にエントリーするかによって期待値が変わる事が前回分かりました。
今回はその逆でショート(売り)の期待値の検証です。
この記事は、何時にドル円をショート(売りでエントリー)すれば期待値が高いのか調査しました。
結論から申しますと、10時に買った時の期待値が最も高いです。
10時に買って5時間後に決済したトレードの期待pipsが最も高かったです。
前回に引き続き簡単に活かせる内容です
ぜひ目を通してみてください。
- 根拠のあるトレードしたい方。
- 一時的な手法ではなく長期で使えるトレードをしたい方。
- FXがギャンブルではないと理解できている方。
- すぐにトレードに活かせる実用性の高い情報が欲しい方。
- データに基づいた事実ベースの情報が欲しい方。
ドル円のベストな売りタイミングは10時です。
ドル円のショート(売りでエントリー)は、10時に行うのがベストです。
10時にショートを行い2時間後に決済した時の成績が最も良いです。
※正確には5時間後に決済した方が成績が良いですが優位性をより保っていると考えたため2時間後の決済を採用。下に一応5時間後に決済した場合の画像も載せておきます。
上記の画像は、実際に「10時にショートを行い2時間後に決済」のトレードをさせた場合の20年間のテストです。
御覧の通り、右肩上がりの資産曲線です。
他には何のロジックも埋め込んではいません。時間だけです。
このままトレードしちゃってもよいくらいきれいな右肩上がりです。
さすがに直近では、歴史に残るレベルのドル高・円安の影響で、ドル円ショートの優位性が落ちています、あの歴史的特大トレンド発生時にドル円ショートを撃てる人がいるのかは疑問ですが。
逆に、あのドル高・円安トレンドでそこまで成績を落としていないのが正直すごいです。
10時にショートを行い5時間後に決済
逆に、15時にショートした場合が最も成績が悪く、15時のワースト成績と10時にショートを行い2時間後に決済した成績とを比べると期待pipsに6.382 pipsの差がありました。
米ドル/円の場合、1ロット(1万通貨業者)での取引における1pipsの変動損益は140円前後です(為替レートによります)
よって、1トレードあたり6.382 pipsの損益は、約893.5円です。
仮にこの時間帯による偏りを知らずさらに最悪に近いトレードをし続けた場合、トレード毎に約893.5円の損をしているとも言えますね。
1日1トレードする人の場合で計算します。
1日1トレードの場合、月に「約1万7870円」の損、年間だと「約21.4万円」損をしている計算です。
FXで生活する場合、5~10ロット程度は当たり前に撃つと思いますのでこの損失を5倍、10倍で計算してもらっても構いません。
これでは絶対に勝てません。
逆に知っていれば年間21.4万円の利益に変わるとも考えられます。
人によりますが、21.4万円あれば1ヶ月働いたのと同じですよね。
ドル円のベストな売りタイミングを検証
検証の内容
0時~23時でそれぞれショート(売りエントリー)
エントリー後、一定時間たったらクローズ(決済)。
0~23時でそれぞれ1~24時間後の決済でテストを行い、計576パターンのデータを取ります。
例えば、ドル円を5時にショートし、1時間後、2時間後、~24時間後にクローズする24パターンのデータを取ります。
これを24時間分やります。
通貨ペアはドル円、期間は2003年6月~2023年11月です。
取引コストは検証用のため0.1pipsです。
トレード回数は230万回程度です。
検証結果
こちらのグラフは、過去20年間のデータをもとに、0時~24時に各々ドル円をショートし、1~24時間後に決済した場合の期待pips(縦)を表しています。
くっついている24本の棒グラフは、全て同じ時間にショートしたものです。ショートした時間はグラフ中心の横軸のラベルの通りです。
棒グラフが上(ピンク)側に伸びているものほど成績が良いです。
なんと、ほとんどの時間で期待値はマイナスです!
逆に8~10時あたりのショートの優位性の高さが目立ちます。
はっきりと傾向が見えますね。
しかし、このままではグラフが見にくいので保有期間ごとに分割してみていきましょう。
ドル円を0時~7時にショートした場合のグラフ
ドル円を0時~7時にショートした場合のグラフです。
壊滅的ですね。0時~7時のショートはほとんどの棒グラフが下(青)側に伸びており期待値が低いです。
あえて言うのであれば2時がやや期待値が高いのと、5時以降あたりからややショート優位の棒グラフが増えています。
0時~7時はドル円ショートの優位性ほぼ無し。
ドル円を8時~15時にショートした場合のグラフ
ドル円を8時~15時にショートした場合のグラフです。
8時~15時も壊滅的に一瞬見えますが、8~10時の棒グラフが上(ピンク)側に伸びており期待値が高いです。
特に、10時にショートした時の成績が最も良いです。10時のショートでは保有時間は2~8時間くらいの期待値が高いですね。
12時以降の棒グラフはほぼ下(青)側に伸びており成績が悪いです。
8時~10時のショートの期待値が高い。12~15時のショートの期待値が低い。10時~12時の間に相場の転換が起きやすい。
ドル円を16時~23時にショートした場合のグラフ
ドル円を16時~23時にショートした場合のグラフです。
コメントに困るレベルで壊滅的ですね。16時~23時のほとんどの棒グラフが大きく下(青)側に伸びており期待値がかなり低いです。
とんでもなく期待値が低いですね(笑)
16~23時のショートの期待値が低い。
考察とまとめ
表にしてみました。
ショート優勢 | やや優勢 | やや不利 | 不利 | |
---|---|---|---|---|
0時 | ||||
1時 | ||||
2時 | ||||
3時 | ||||
4時 | ||||
5時 | ||||
6時 | ||||
7時 | ||||
8時 | ||||
9時 | ||||
10時 | ||||
11時 | ||||
12時 | ||||
13時 | ||||
14時 | ||||
15時 | ||||
16時 | ||||
17時 | ||||
18時 | ||||
19時 | ||||
20時 | ||||
21時 | ||||
22時 | ||||
23時 |
ドル円のショート(売りのエントリー)は8時~10時が適している。
検証の結果、ショートに最適な時間は10時で2~8時間程度保有して決済すると良い。また、ほとんどの時間帯で期待値が低かったです。
1日の相場サイクルで、ドル円ショートの優位性が大きい時間帯は限られているようです。
結論:ドル円のショート(売りのエントリー)は8時~10時が適している。
今回のおさらいです。
いつエントリーするかによって期待値が異なる。
- 8時~10時はショート(売り)の期待値が高い。
- ほとんどの時間帯でショートの期待値は低い。
いかがでしたか?
ショートすべき時間はかなり限られていました。
しかし、御覧の通りかなりきれいな右肩上がりのトレードになりました。
今日からはトレードする時間を意識して、質を1段上げましょう!
期待値の掛け合わせでトレードの質がだんだんと高くなります。