
RSIは本当に使える?
RSIは「Relative Strength Index」の略で和訳すると「相対力指数」です。
大人気のテクニカル指標であり、テクニカル指標の父J.W.ワイルダーがつくったテクニカル指標です。
一定期間内の上げ幅と下げ幅を合わせた全体の変動幅における上げ幅の割合を示します。
シンプルな指標で、指定した期間中ずっと上昇すれば100に、下降していれば0になります。
今回はRSIを用いた逆張りを検証していきます。
すぐにトレード活かせる内容なので、ぜひ目を通してみてください。
- 根拠のあるトレードしたい方。
- 一時的な手法ではなく長期で使えるトレードをしたい方。
- FXがギャンブルではないと理解できている方。
- すぐにトレードに活かせる実用性の高い情報が欲しい方。
- データに基づいた事実ベースの情報が欲しい方。
RSIの逆張りは有効です


結論から申しますと、RSIの逆張りは有効です。
上記画像は、過去20年間ひたすらRSIを使って逆張り手法を行い続けるようにプログラムしてテストした場合の資産推移です。
見ての通り右肩上がりの資産曲線です。
客観的にこの画像を見て、RSIの逆張りが全くの無意味と言う人は少ないでしょう。
ただし、使う時間足とパラメータによりけりで、全く優位性が無かったRSIの期間設定は多いです。
仮にあなたがどこかで見た設定等を鵜呑みにし、手法に優位性が無いと知らないまま稼げると信じてトレードし続けた場合どうなるでしょうか?
この記事ではそれぞれの時間足で検証し、期待値が高かったパラメータも含めて公開します。



RSIによる逆張りには優位性があります。
RSI逆張りの検証方法
RSIが10~40(60~90)を越えたらロングorショート(買いor売り)
エントリー後、反対側のRSIが60~90(10~40)を越えたらしたらクローズ(決済)。
それぞれの時間足、良く使用されるパラメータのRSIでテストを行い、計560パターンのデータを取ります。
7、9、14、21、30の期間のRSIでそれぞれ10~40(60~90)でエントリー、反対側の60~90(10~40)で決済する組み合わせが80パターン。
これを1分足~日足で行い、計560パターンとなります。
通貨ペアはドル円、期間は2003年6月~2023年11月です。
取引コストは検証用に0.1pips(0.1銭)です。
手法そのものの力だけを見たいため利確損切りは設定しません。(一応500pipsで設定)



早速やっていきましょう!
RSI逆張りの優位性、検証結果
次項に出てくる棒グラフが検証結果です。
過去20年間のチャートデータをもとに、RSI逆張り手法の期待値(pips)を表したグラフです。
縦軸は期待値(pips)です。勝ち負け平均して1トレード毎に何pips期待できるかを表しています。上側に棒グラフが伸びていれば期待値プラスです。
横軸は、RSIの期間です。青色の縦線で区切ってありますが、横軸の数字に近い棒グラフは全て同じ期間のRSIでの結果です。
最後に棒グラフの色は、エントリーと決済のRSIの数値を表しています。
「30~70」とあればRSIが30を下回ったら買いエントリーして70を上回ったら決済した時の結果を表します。
売りの場合は70を上回ったら売りエントリー、30を下回ったら決済です。
※あまりにもトレード回数が少なかったものは除外しています。
※見にくいため棒グラフが上下側に伸びているの時や、上側に伸びている時でもトレード数が少な過ぎる場合のグラフを切っていることがあります。
1分足における各RSI逆張りの期待値


こちらは20年間、1分足のRSIで逆張りを行い続けた結果です。
※グラフが見にくくなるため期待値が大きくマイナスだった棒グラフの下側と、期待値プラスだったが取引回数が少なすぎたグラフの上側を切ってます。
全体的に期待値プラス!
棒グラフが上側に伸びているものが多いです。
特に期間7のRSIは優秀は大抵プラスです。
期間30のRSIは設定によりけりです。



1分足のRSIは割とどの期間でも使えそうですね。
1分足で最も期待値が高かったRSIの設定の資産推移


RSI逆張り(1分足) | パラメーター |
---|---|
期間 | 30期間 |
RSIの数値(エントリー) | 30 |
RSIの数値(決済) | 60 |
1分足で最も期待値が高かった設定です。
RSI30期間。RSIが30以下でエントリー、60以上で決済した場合の資産推移です。
少々ガタついているときも多いですが右肩上がりです。
人気なインジケーターなだけありますね。
1分足で安定感が優れていたRSI設定の資産推移


RSI逆張り(1分足) | パラメーター |
---|---|
期間 | 21期間 |
RSIの数値(エントリー) | 30 |
RSIの数値(決済) | 60 |
安定感が優れていたRSIの設定(1分足)
期待値ではやや劣るものの安定感が優れていた設定も載せておきます。
かなりきれいな右肩上がりですね。
最も期待値が高かった設定よりもこちらの方が使いやすそうです。



優位性有りです。
1分足で、最も期待値が良かったものはRSI30期間、30以下でエントリー、60以上で決済した場合です。
最も悪かったものはRSI9期間、40以下でエントリー、90以上で決済した場合。
※売りは逆
5分足における各RSI逆張りの期待値


こちらは5分足のRSI逆張りの結果です。
※グラフが見にくくなるため期待値が大きくマイナスだった棒グラフの下側と、期待値プラスだったが取引回数が少なすぎたグラフの上側を切ってます。
1分足とは様子が少し変わって、期間の設定が短めの方が成績が良い印象です。
もっとも使われる設定である14期間より7期間設定の方が期待値がプラスの設定が多いです。



期間が長めの設定は逆に壊滅的
5分足で最も期待値が高かったRSIの設定の資産推移


RSI逆張り(5分足) | パラメーター |
---|---|
期間 | 14期間 |
RSIの数値(エントリー) | 30 |
RSIの数値(決済) | 60 |
5分足で最も期待値が高かった設定です。
RSI14期間。RSIが30以下でエントリー、60以上で決済した(売りは逆)場合の資産推移です。
右肩上がりですが、直近が弱いです。
直近半分弱くらいの期間で資産が実質的にはあまり増えていません。
5分足で安定感が優れていたRSI設定の資産推移


RSI逆張り(5分足) | パラメーター |
---|---|
期間 | 7期間 |
RSIの数値(エントリー) | 20 |
RSIの数値(決済) | 60 |
安定感が優れていたRSIの設定(5分足)です。
期待値ではやや劣るものの安定感が優れていた設定も載せておきます。
最も期待値が高かった設定と比べて比較的きれいな右肩上がり。



ややアップダウンが目立ちますが。
5分足で、最も期待値が良かったものはRSI14期間、30以下でエントリー、60以上で決済した場合です。
最も悪かったものははRSI期間21、40以下でエントリー、70以上で決済した場合。
※売りは逆
15分足における各RSI逆張りの期待値


こちらは15分足のRSI逆張りの結果です。
※グラフが見にくくなるため期待値が大きくマイナスだった棒グラフの下側と、期待値プラスだったが取引回数が少なすぎたグラフの上側を切ってます。
多くの条件で期待値マイナスの傾向です。
ある程度トレード回数があって、さらに期待値がプラスだった組み合わせは数えるほどしかありません。
5分足のRSIと同様、期間設定が短めの方が優秀。



デフォルト設定の14期間の成績は全然ダメですね。
15分足で最も期待値が高かったRSIの設定の資産推移


RSI逆張り(15分足) | パラメーター |
---|---|
期間 | 7期間 |
RSIの数値(エントリー) | 30 |
RSIの数値(決済) | 60 |
15分足で最も期待値が高かった設定です。
RSI14期間。RSIが30以下でエントリー、60以上で決済した(売りは逆)場合の資産推移です。
う~ん、たまたま期待値がプラスで終われただけのようです。
途中まではかなり良いんですがね。



ちなみに15分足では他の期待値プラス設定の資産推移もこんな感じで似たような波形でした。
15分足で、最も期待値が良かったものはRSI7期間、30以下でエントリー、60以上で決済した場合です。
最も悪かったものははRSI期間7、30以下でエントリー、80以上で決済した場合。
※売りは逆
30分足における各RSI逆張りの期待値


こちらは30分足のRSI逆張りの結果です。
※グラフが見にくくなるため期待値が大きくマイナスだった棒グラフの下側と、期待値プラスだったが取引回数が少なすぎたグラフの上側を切ってます。
壊滅的ですね。期待値がプラスになった組み合わせはゼロです。
有効と思われる期待値プラスの設定は一つもありません。



壊滅的★
30分足で、期待値がプラスになった組み合わせは無し。
最も悪かったものははRSI期間7、40以下でエントリー、80以上で決済した場合。
※売りは逆
1時間足における各RSI逆張りの期待値


こちらは1時間足のRSI逆張りの結果です。
※グラフが見にくくなるため期待値が大きくマイナスだった棒グラフの下側と、期待値プラスだったが取引回数が少なすぎたグラフの上側を切ってます。
壊滅的ですね。期待値がプラスになった組み合わせはゼロです。



30分足同様、優位性なし!
1時間足で、期待値がプラスになった組み合わせは無し。
最も悪かったものははRSI期間9、40以下でエントリー、60以上で決済した場合。
※売りは逆
4時間足における各RSI逆張りの期待値


こちらは4時間足のRSI逆張りの結果です。
※グラフが見にくくなるため期待値が大きくマイナスだった棒グラフの下側と、期待値プラスだったが取引回数が少なすぎたグラフの上側を切ってます。
1時間足に続き壊滅的です。
期待値がプラスになっている組み合わせはゼロです。
そして、トレード回数的にも少なすぎて、4時間足の全ての設定で有効な結果と言えませんでした。



このパラメータでトレードするくらいならギャンブルに突っ込んだ方が幾分かはましですよね。
4時間足で、期待値がプラスだったものは無し。
最も悪かったものも取引回数が少なすぎて語れることも無し。
日足における各RSI逆張りの期待値


こちらは日足のRSI逆張りの結果です。
※グラフが見にくくなるため期待値が大きくマイナスだった棒グラフの下側と、期待値プラスだったが取引回数が少なすぎたグラフの上側を切ってます。
期待値がプラスになっている組み合わせはゼロです。
そして、4時間足同様にトレード回数的にも少なすぎて、日足の全ての設定で有効な結果と言えませんでした。



特に語る事もなしです。
日足で、期待値がプラスだったものは無し。
最も悪かったものも取引回数が少なすぎて語れることも無し。
RSI逆張りは短期足で有効
RSI逆張りの手法は1分足~15分足で有効。
検証の結果、RSI逆張りは有効な戦略であることが分かりました。
1~5分足で特に優位性が高いように感じました。



RSIは1~5分足でグラフの形もきれいでした。
RSI逆張りの設定表
表にもしてみました。
期待値がプラスだったものが「〇」。
最大の期待値だったペアが「〇の赤色」のマス。
空欄のマスが期待値マイナス。
最小の期待値だったものが「×の青色」のマスです。
トレード数が少なくて参考にならないと思われるものが「ー」のマスです。



自分の良く使う設定と表とを見比べてみてください。
「1分足」RSI逆張りの設定表
1分足 | 7 | 9 | 14 | 21 | 30 |
---|---|---|---|---|---|
10-60 | |||||
10-70 | |||||
10-80 | |||||
10-90 | |||||
20-60 | |||||
20-70 | |||||
20-80 | |||||
20-90 | |||||
30-60 | |||||
30-70 | |||||
30-80 | |||||
30-90 | |||||
40-60 | |||||
40-70 | |||||
40-80 | |||||
40-90 |
「5分足」RSI逆張りの設定表
5分足 | 7 | 9 | 14 | 21 | 30 |
---|---|---|---|---|---|
10-60 | |||||
10-70 | |||||
10-80 | |||||
10-90 | |||||
20-60 | |||||
20-70 | |||||
20-80 | |||||
20-90 | |||||
30-60 | |||||
30-70 | |||||
30-80 | |||||
30-90 | |||||
40-60 | |||||
40-70 | |||||
40-80 | |||||
40-90 |
「15分足」RSI逆張りの設定表
15分足 | 7 | 9 | 14 | 21 | 30 |
---|---|---|---|---|---|
10-70 | |||||
10-80 | |||||
10-90 | |||||
10-99 | |||||
20-60 | |||||
20-70 | |||||
20-80 | |||||
20-90 | |||||
30-60 | |||||
30-70 | |||||
30-80 | |||||
30-90 | |||||
40-60 | |||||
40-70 | |||||
40-80 | |||||
40-90 |
まとめ:RSI逆張りは有効な手法です。


今回のおさらいです。
RSI逆張りは有効な戦略。
・1分足~15分足等で有効。
・30分足以降ではあまり優位性は見られない。
いかがでしたか?
RSI逆張りを検証してみました。
結果、手法の優位性が確認できました。



期待値が大きい組み合わせでエントリーを狙ったり、逆に期待値マイナスの組み合わせが起きていないか確認してみるとトレードの質向上につながると思います。