トレンドの長さに着目しない逆張りは大ケガのもとです。
「逆張りは危険?」
「いつ逆張りすれば良いの?」
逆張りは文字通り「トレンドに逆らう」トレードです。
言葉では簡単ですが、ぐんぐん伸びていく上昇トレンドを目の前にして、売りのボタンを押す際に恐怖を感じないと言えるでしょうか?
しかし、その逆張りがどの程度の期待値を秘めているか分かっていれば冷静にエントリーできますよね?
今回はトレンドの長さによる逆張りの期待値を調査しました。
結論から申しますと、30分~6時間、1週間、半月のトレンドに逆張りを行った時の期待値が高いです。
なぜなら、私がプログラミングを用い20年以上のデータで実際に検証したところ、それぞれの保有期間でのテストで期待pipsが大きかったからです。
この記事は逆張りに適したトレンドの期間を具体的な数値を含めて検証したものです。
- 根拠のあるトレードしたい方。
- 一時的な手法ではなく長期で使えるトレードをしたい方。
- FXがギャンブルではないと理解できている方。
- すぐにトレードに活かせる実用性の高い情報が欲しい方。
- データに基づいた事実ベースの情報が欲しい方。
逆張りは、短期トレンドに行う
逆張りは、短期トレンドを中心に行うのが正解です。
全体的に3時間~6時間、そして1週間の長さのトレンドを中心に成績が良くなります。
また、保有時間が短い場合、トレンドの長さが短いほど成績が良く、30分の長さのトレンドに逆張りした場合の成績が最もよかったです。
逆に、適さないトレンドに逆らうと、適したトレンドに逆張りした時と比べて最大で17 pips以上も期待値で損をしていました。
米ドル/円の場合、1ロット(1万通貨業者)での取引における1pipsの変動損益は、為替レートによりますが130円前後です。
よって、1トレードあたり17 pipsの損は、2210円です。
これを知らないだけでトレード毎に約2200円の損をしているとも言えますね。
1日1トレードする人の場合で計算します。
1日1トレードの場合、月に「4万4200円」の損、年間だと「53万円」負ける計算です。
FXで生活する場合、5~10ロット程度は当たり前に撃つと思いますのでこの損失を5倍、10倍で計算してもらっても構いません。
これでは絶対に勝てません。
逆に知っていれば年間53万円の利益に変わるとも考えられます。
すぐにトレードに活かせる内容なので、ぜひ記事に目を通してみてください。
逆張りに最適なトレンドの期間を検証
検証の内容
上昇トレンドであれば売り。
下降トレンドであれば買い。
エントリー後、一定時間たったら決済。
トレンドの期間ごとにテストを行い、計143パターンのデータを取ります。
見たい人だけクリックして見てください。
クリックで「検証の詳細」が見られます
決済は15分後、30分後、1時間後、3時間後、6時間後、9時間後、半日後、18時間後、1日後、3日後、1週間後の11パターンでテスト。1ヶ月以降での決済はサンプル数が少なくなったため除外しました。
これを、移動平均線の期間ごとに行います。30分、1時間、3時間、6時間、9時間、半日、18時間、1日、3日、1週間、1ヶ月、3ヶ月、半月の13パターンです。
また、保有期間が24の約数になると定刻でトレードするだけになってしまうので、時間を何分かずらしています。
11通り×13通りあるので、計143パターンのデータを取ります。
また、通貨ペアはドル円、取引コストは有意性を見るためスプレッド0.1 pipsの低スプレッドに設定しています。
※移動平均線が横這いに近くても強引にトレンドの方向を判断します。理由は、トレンド相場とレンジ相場の区別をつけないためです。「横ばいならトレードしない」等の条件を足すと「トレンドの強さ」の要素が足されてしまうためです。
得られたデータがどの要素によるものなのかが分からなくなるのを防ぎましょう。
検証結果
こちらのグラフは、過去20年間のデータをもとに、トレンドに逆張りした場合の期待pips(縦)を表しています。
つまり、それぞれのトレンドの期間(横軸)で逆張りを行った成績を1つにまとめたものです。それぞれの折れ線は保有期間でわかれています。
この検証はトレード根拠1つで適当にトレードしているのとほぼ同義であり、手数料分負けているため全ての結果はマイナスで終わっています。見やすいように絶対値に直しています。なので値が0.0 pipsに近く低いほど成績が良いことを意味します。
要するに、折れ線グラフが下にへこんでいるものほど成績が良いです。
なんとなく傾向が見えなくもないですが、
このままではグラフが見にくいので保有期間ごとに分割してみていきましょう。
逆張り後、15分~18時間保有した場合のトレンド期間のグラフ
逆張り後、15分~18時間保有した場合のグラフです。除いた24時間~1週間の折れ線グラフ3本は後で見ていきます。
3~6時間の長さのトレンドを中心に逆張りした時の成績が明らかに良いですね。
次点では1週間、半月の節目のトレンドに逆張りした場合の成績が良いです。
そして、保有期間が短い15分、30分のデータに着目すると、ほぼ右肩上がりに近いです。保有期間が短い場合は短いトレンドほど逆張りの成績が良いです。
スキャルピングの場合は短いトレンドを見ると良いかもしれません。
30分~6時間、1週間、半月のトレンドに逆張りした成績が良い。
逆張り後、24時間~1週間保有した場合のトレンド期間のグラフ
先ほど除いた24時間~1週間の折れ線グラフ3本も見ていきましょう。
1週間、半月のトレンドに逆張りした場合の成績良い傾向があるのが分かります。
対して、3~6時間の長さのトレンドあたりの成績は特に良さそうには見えません。
保有期間が長い場合は1週間、半月のトレンドが優位性を保つようです。
保有期間が長い場合は1週間、半月のトレンド逆張りが成績が良い。
考察とまとめ
表にしてみました。
保有期間が短い | 中間的な保有期間 | 保有期間が長い | |
---|---|---|---|
30分~1時間のトレンド | 成績が良い | ||
3~6時間の長さのトレンド | 成績が良い | 成績が良い | |
1週間、半月のトレンド | 成績が良い | 成績が良い |
30分~6時間、1週間、半月のトレンドが逆張りに適している。
検証の結果、トレンド期間によって逆張りの期待値は異なることが分かりました。また、保有期間によっても成績が変化することも分かりました。
逆張りをする際は、トレンドの期間と保有期間を考慮してみましょう。
結論:逆張りに適したトレンドの長さは、30分~6時間、1週間、半月
今回のおさらいです。
トレンド期間によって逆張りの期待値は異なる。
- 3~6時間の長さ中心のトレンドの逆張りが有利
- 1週間、半月のトレンドの逆張りが有利
- 保有期間が短い場合、短いトレンドほど逆張り有利
- 保有期間が長い場合でも1週間、半月のトレンドの逆張りは有意性を保つ
いかがでしたか?
トレンド期間や保有期間によって逆張りの期待値が異なることが分かりました。
手法以前にどの程度の長さのトレンドに逆らうかや保有期間によって、そもそもの期待値が異なります。
今日からはトレンド期間や保有期間を意識して、逆張りの質を1段上げましょう!
こういった期待値の小さい積み重ねであなたのトレードも変わります。